福岡地方裁判所 事件番号不詳〔1〕 決定
右会社に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は次のとおり決定する。
主文
本件公訴を棄却する。
理由
右被告会社に対する公訴事実の要旨は、
被告会社は、石炭採掘及び販売等の事業を目的とする会社であるが、被告会社の代表取締役として被告会社の業務を総括処理していた時枝正は、被告会社の業務に関し、法人税を逋脱せんことを企て、
第一、被告会社の昭和二十七年上期事業年度(昭和二十七年四月一日より同年九月三十一日まで)における課税所得金額は三千八百七十一万四百円、積立金額は五百五十五万八千円で、納付すべき法人税額は一千六百五十二万二百十円(内積立金額に対する法人税額二十七万六千九百円)であつたにも拘らず、被告会社の事業所得の一部を、架空の石炭原価、及び架空販売費として計上する等の方法により蔭匿し、更に、被告会社西川内鉱業所新設第二坑は法人税法第六条第二項の増設免税に該当しないのに拘らず、右増設免税に該当するごとく装つて、課税所得を過少に計上し、当期の課税所得金額は三百七十八万八千四百円、積立金額は五百五十三万八千円で、納付すべき法人税額は百八十五万二千五百五十円である旨虚偽の法人税確定申告書を同年十一月二十七日当時の被告会社本店所在地所轄税務署である東京都千代田区麹町税務署長に提出し、以て不正の手段により右事業年度における前記正当税額と申告額との差額一千四百六十六万七千六百六十円を免れ、
第二、被告会社の昭和二十七年下期事業年度(昭和二十七年十月一日より昭和二十八年三月三十一日まで)における課税所得金額は一千六百五十三万七千五百円、積立金額は三千八百六十八万四千九百円で納付すべき法人税額は八百八十六万四千四百八十円(内積立金額に対する法人税額一百九十三万八千二百四十円)であつたにも拘らず、前同様の方法によりその所得の一部を蔭匿し、当期の被告会社の課税所得金額は欠損で納付すべき法人税額は積立金額一千百六十六万六千六百円に対する税額五十八万三千三百三十円のみである旨虚偽の法人税確定申告書を前記麹町税務署長に提出し、以て不正の行為により右事業年度における前記正当税額との差額八百二十八万一千百五十円を免れ
たものである。
というのであるが、被告会社は昭和三十三年八月一日秋元鉱業株式会社に吸収されて合併し、同日解散したものであり、この事実は会社閉鎖登記簿謄本の記載によつて明らかであるから、被告会社に対する本件公訴はこれを棄却すべきものと認め、刑事訴訟法第三百三十九条第一項第四号に則り、主文のとおり決定する。